65歳以上で、1日に 250ml以上の赤ワインを飲む人は、飲まない人に比べて認知症になりにくいということが報告されています。認知症には「脳血管性認知症」と「アルツハイマー型認知症」の 2種類がありますが、赤ワインに含まれるレスベラトロールはその両方の認知症の予防に有効だといわれています。
名古屋市立大大学院医学研究科の岡嶋研二教授らのマウス実験で明らかになりました。認知症の予防や改善につながる成果で、来年7月にパリで開かれる認知症関連学会で発表します。
岡嶋教授らは、ポリフェノールの一種「レスベラトロール」に着目。赤ワインとレスベラトロール、白ワインを1日当たり0・2ミリリットルずつ、3週間にわたって異なるマウスに飲ませ、記憶や学習にかかわる脳器官「海馬(かいば)」の変化を調べました。その結果、赤ワイン、レスベラトロールを飲んだマウスでは、神経細胞を活性化する物質が通常の1・5倍に増え、海馬の神経細胞の再生や情報伝達スピード向上などの効果がみられました。白ワインは効果がありませんでした。迷路を解かせる訓練でも、所要時間は白ワインの約半分で、学習能力も向上していました。
人間は1日250〜500ミリリットルの赤ワインを飲むと、認知症の改善効果があることが経験的に知られています。ポリフェノールの抗酸化作用が脳を守ると考えられてきましたが、今回の研究で神経系の作用だったことが判明しました。
近年、レスベラトロールには、認知症を予防し、さらには軽度の認知症であれば改善する効果に期待がかかっています。
認知症とは、脳の機能が低下する事で、下記のような症状を招く恐ろしい病気です。
*記憶障害
*見当識障害
*理解・判断力の障害
一度、認知症となると取り返しがつかないので、日ごろからしっかりと予防する事が大事です。